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2014年7月30日 (水)

第46回メルコスルサミット

729日、カラカスでメルコスルの第46回サミットが行われた。正確にはメルコスル共同市場理事会(Consejo del Mercado CmúnCMC)の会合を指す。半年毎に持ち回りする議長国で開催される。

46回サミットは元々、201312月に開催される筈で、議長国はベネズエラからアルゼンチンに引き継がれることになっていた。ところが、その2ヶ月前に慢性硬膜下血腫の摘出手術を受けたフェルナンデス・アルゼンチン大統領の欠席が確実視され、確か2ヶ月延期された。次には、ベネズエラの反政権派による抗議活動が激化しており、さらなる延期を余儀なくされる、と言う経緯を辿った。

1年前の前45回サミットで、20126月の第43回会合で一時的資格停止となったパラグアイの復帰が決議された。その前に行われた選挙(http://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2013/04/post-25fe.html参照)

を他メンバー国が一致して、民主的だった、と評価したためだ。今回は同国にとり、復帰後初めての出席となる。 

今回サミットには、加盟5ヵ国首脳が勢揃いした。ラテンアメリカのほぼ完成した統合体は、他に中米統合機構(SICA)及びアンデス共同体(CAN)がある(ホームページのラ米の地域統合参照)。この頃、サミットで全首脳が揃うのは珍しい。前者は、コスタリカがSICAの司法裁判所、中米議会いずれにも加盟せず中途半端な立場にあることもあろう。後者は、エクアドルとボリビアの両首脳が消極的なこともあり、ここ数年、サミットを聞いたことが無い。コロンビアとペルーは、メキシコ及びチリとの「太平洋同盟」に力を入れる。

今回のメルコスルサミットには、正式加盟手続き中で現時点では準加盟国のボリビアのモラレス大統領も出席した。準加盟国ではチリのバチェレ大統領も招待されていたが、風邪などを理由に欠席した。太平洋への出口を強く求め、且つ太平洋同盟をラ米にあるまじき新自由主義的統合体、と批判するモラレス氏と同席するのが鬱陶しいのかも知れない。まさか、サミット直後に来訪する日本の阿部首相との会談準備に時間をかけたい、ということはあるまいが。

なお、やはり新自由主義を強く批判するマドゥーロ氏は、太平洋同盟との連携を主張している。 

今回サミットは、2001年末にデフォルトとなったアルゼンチンのソヴリン債を、市場で、二束三文で買い集め、その額面を米国の司法システムを使って強要し、新たなデフォルト危機をもたらしている投機ファンドへの非難とアルゼンチン支援が最大のテーマだった。体調が優れないフェルナンデス氏のサミット出席の最大の目的が、米州機構(OAS)や南米諸国連合(Unasur)、ラテンアメリカ・カリブ共同体(Celac)と言った緩やかな統合体ではなく、統合度がラ米で最も強いメルコスルの支援確保にあったことは明白だろう。 

ところで、加盟5カ国と加盟申請中の1カ国の内、3カ国で本年10月に総選挙が行われる。いずれも、政権継続(与党ベース含む)の公算は高いようだ。

105日、ルセフ・ブラジル大統領、1012日、モラレス・ボリビア大統領が連続再選を目指す。前者はサッカーのワールドカップを成功させながら、直後の世論調査では逆に競争相手との支持率の差が縮まって来ている。後者は支持率が第二位以下を寄せ付けない70%台であり、再選は間違い有るまい。

1026日には、ウルグアイで総選挙が行われる(ブログの年初の記事http://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2014/01/2014-d7b0.html、及びhttp://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2014/01/20142-6825.htmlには書き落としており、申し訳なく存じます)。この国では連続再選が認められず、ムヒカ大統領は退任、彼の拡大戦線からはタバレ・バスケス前大統領が出馬する。ムヒカ氏より5歳若いが、それでも74歳である。対立候補の筆頭となる国民党のラカジェポウ下院議員は選挙時点で41歳と若く、父親はラカジェエレラ元大統領(在任1990-95)と、毛並みも良い(この国はコスタリカ、パナマ、チリ、かつてのコロンビア、或いは日本同様、政治家の家系から最高指導者が出ることが有る)。だが、支持率を見れば、バスケス候補が10ポイントほどリードしている。 

また、20151018日には、アルゼンチンでも総選挙が行われる。フェルナンデス氏が立候補できるよう、連続二選までしか認めていない憲法を改定する動きもあったが、沙汰止みになり、今は彼女の後継候補の絞込み段階だ。上記3カ国同様、彼女の勝利戦線(FpV)が引き続き政権を担えるかどうか、注視して行きたい。

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