« チャベスの再々手術 | トップページ | Celac-EUサミット »

2013年1月24日 (木)

2013年ラ米選挙

2013年のラテンアメリカは、チャベス・ベネズエラ大統領の20116月からの第四回目の手術と長期入院をトップニュースとして明けた。アルゼンチンの海軍練習船が米国のヘッジファンドの訴えでガーナ司法による命令に基づき同国港湾で差し止めにあうと言う不可解な事件は、国際海洋裁判所の裁定によって12月下旬、練習船解放で解決した。Wikileaksのアサンジュ代表を在ロンドン大使館に保護してきたエクアドルでは、解決策を模索しつつ、一向に進展を見せない。かかる状況下、2013年、ラテンアメリカでは幾つかの国で選挙が行われる。 

先ず来るのが、217日のエクアドル総選挙だ。任期4年の正副大統領、137名(現在の124から増員)の国会議員を選出する。

20089月の国民投票で憲法が改正され、大統領の連続再選が一度だけ認められることになった。20094月に新憲法下初代の大統領に就いたコレア候補(選挙時50歳、以下同)が、連続再選を狙う。グティエレス元大統領(55歳。在任2003-05。弾劾により失脚)も立候補しているが、対抗馬と言えるのは、昨年初頭に「機会創造運動(CREO)」と言う政党を結成した企業家のラソ候補(57歳)のようだ。ただ、世論調査ではコレア氏が圧倒的優位にある。

もう一つ注目したいのが、現与党「至高の祖国同盟(PAIS)」の国会議席増加が成るかどうかだ。現在、議会第一党ではあっても59議席、つまり定数の半数に満たない。エクアドルが加盟する米州ボリーバル同盟(ALBA)の他の南米二ヵ国(ベネズエラ及びボリビア)では、大統領自身の政党が6割以上の議席を持つ。ここまで行けるだろうか。 

次は421日のパラグアイ総選挙だ。任期5年の正副大統領、国会議員(上院45名、下院80名)らを選出する。この国では憲法上、大統領の再登場が禁じられている。ラ米ではこのような国はメキシコなど他にも4ヵ国ある。20126月に議会によるルゴ前大統領罷免の手続が非民主主義的、とし、南米諸国連合(Unasur)とメルコスルから資格停止処分を受けた。その解除はパラグアイで民主的選挙の実施を確認した後になる、とされており、重要性は高い筈だ。

パラグアイはストロエスネル独裁時代(1944-89年)を含め、コロラド党(ANR-PC)が60年以上もの政権を担って来た。それを止めたのが、真正自由党(PLRA)と連立を組んだルゴ氏だ。彼は、罷免された後に参加した「グアス戦線(FG)」から上院議員選に臨む。夫々の陣営からの大統領候補は分かっているが、私にはその年齢、現職、前歴のいずれも分からないので割愛する。ただ、Unasur及びメルコスルの対応、取り分け資格停止の間を縫って、パラグアイ議会が反対していたベネズエラのメルコスル加盟が成ったことに反発する現議会勢力が大きく変わるとは考え難く、少なくともメルコスル復帰には、パラグアイ自身の意志で、時間がかかろう。 

10月にはアルゼンチンで、下院総議席257中確か127が改選される。また上院72議席の三分の一、24の改選となる。第二次フェルナンデス政権の2年目の終わりに行われるもので、中間選挙の意味合いを持つ。上下両院とも過半数を占める与党だが、クリスティーナ人気に陰りが見える中で、それが維持できるか、気になるところだ。有権者は、これまでの「18歳以上」から「16歳以上」に引き下げられる。 

1110日はホンジュラスの総選挙だ。大統領と128議席の国会議員を選出する。この国は今やラ米で珍しくなった二大政党制にあり現与党の国民党(PNH)と現野党第一党の自由党(PLH)がほぼ交代で政権を担って来た。これらに20096月に追放された元PLHのセラヤ前大統領が、20115月に帰国した後に結成した「自由と再生の党(Libre)」が如何に食い込めるかがポイントになる。

大統領の任期は4年だが、憲法上、一度務めたら再び立候補できない。上記パラグアイよりも厳しい。それを再選可能とするには憲法改正が必要だが、そのための国民投票が認められながら実施されない状態で、彼自身は大統領に立候補できず、彼の夫人、シオマラ・カストロ氏(54歳)を擁立している。国民党はエルナンデス国会議長(45歳)が、自由党は弁護士のビイェダ氏が昨年11月の予備選で決まった。 

1117日、チリでも総選挙が行われ、任期4年の大統領と下院議員120名、及び8年の上院議員(定数38名)18名を選出する。前回2009年選挙では、「民主諸党連合(Concentación、以下「連合」)」が民政復帰後20年間政権の座を「チリのための同盟(Alianza por Chile、以下「同盟」)に奪われた。「同盟」はその後「変革同盟(Coalición por el cambio)へと呼称変更を行っている。

政治勢力毎の予備選挙は義務ではないが、実施する場合は今回より選挙管理委員会の下に行われ、その結果は拘束力を持つ。日程も630日実施、そのための候補者登録は51日、と決まっている。二大政治勢力の大統領候補がどうなるか、暫く状況の推移を見て行きたい。それ以外では、2009年選挙で善戦したオミナミ氏が、その後創設した進歩党(PRO)から出馬する。他小党から政治勢力を結成し、その中で予備選を行いたい、との申し出を拒んでいる、と言う。

なお、国会の現議席数で見ると「同盟」は、上院(定数38名)で16、「連合」の19を下回っており、下院(同120名)の584議席上回るだけだ。ただ要するに両勢力が拮抗している状態であり、「同盟」の政権維持、「連合」の奪還、いずれの場合でも、この状況から脱却できるか否かも注目したい。

|

« チャベスの再々手術 | トップページ | Celac-EUサミット »

ラテンアメリカ全体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« チャベスの再々手術 | トップページ | Celac-EUサミット »