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2012年2月 7日 (火)

第11回ALBAサミット

245日、カラカスで「米州ボリーバル同盟ALBAAlianza Bolivariana para los Pueblos de Nuestra América)」のサミットが開かれた。第11回目と言う。19922月、チャベス空軍大佐(当時)率いる将校団が反乱を起こしたが、その20周年記念行事に合わせたそうだ。一昨年の第9回目は、ベネズエラ独立革命勃発200周年記念日に、やはりカラカスで開かれた(http://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/200-592f.html参照)。今回も、スペイン語圏の5ヵ国全ての大統領(キューバは国家評議会議長)及びカリブ3ヵ国(アンティグア、ドミニカ(ドミニカ共和国ではない)、サンヴィセンテ)が顔を揃えた。コレア・エクアドル大統領は4日の会合にのみ出席、5日の会合にはパティーニョ外相が代行した。バウタルセ・スリナム大統領も出席したが、同国はサンタルシアと共に加盟手続に入っており、非スペイン語圏の加盟国は5ヵ国に増える。ALBAの恒常的招待国、と規定しているハイチのマーテリ大統領も出席した。同国関連では、エネルギー、教育及びインフラ分野での支援を倍増することを決めた。 

ALBA内部問題では、先ず常設事務局の設置と政治経済委員会の創設が決まった。200412月、ベネズエラとキューバが、前者が石油供給、後者の医療・教育サービス提供を柱とした協定を締結した。これでALBAが発祥した。それから8年。2006年以降、ボリビア、ニカラグア、ホンジュラス(20096月のクーデター後脱退)、カリブ3ヵ国と加盟国が増え、2009年央にエクアドルが加わる。色々な動きが続き、常設事務所どころではなかったのかも知れない。ともあれ漸く決まった。事務局はカラカスに置き、加盟国から代表者を常駐させることになる。チャベス氏は、政治社会分野ではキューバがコーディネーターの責を担うことになる、と述べた。また現下のユーロ危機に鑑み、ALBAの経済力強化が必要、ということで、経済貿易決済通貨として導入しているスクレ(米㌦と等価)を検証するに当たり、チャベス氏はAlba銀行に加盟国の国際準備を活用した開発プロジェクト金融を目的とする基金の創設を提案した。ベネズエラ自身は国際準備の1%に当たる3億㌦を拠出する、と言う。

左派政権が集まるALBAのサミットでは、国際政治問題が突っ込んで語られる。国連安保理事会で中国、ロシアの拒否権発動で廃案になったシリア制裁決議について、ALBAでは欧米は同国の不安定化を諮るため、実力行使で、同国人民に対する政権交代の押し付けようとしている、と非難した。

今年41415日、カルタヘナ(コロンビア)で第六回米州サミットが開催されるが、キューバが招かれない場合、ボイコットを検討する、とした。前第五回サミット(本ブログhttp://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2009/04/post-4db0.html参照)でもキューバの米州機構(OAS)復帰が求められ、その後OASとしては同国に門戸を開いた。ただ、同国が応じていない。それでも、サミット招待は出来る筈だ。ALBA首脳は、そこを試しているのではなかろうか。なお、米州サミットは通常4年毎に開かれる。だが第五回から3年しか経っていない。昨年122日、カラカスで行われたサミットでラテンアメリカ・カリブ共同体(CELAC)が発足した(http://okifumi.cocolog-wbs.com/blog/2011/12/post-e24a.html参照)。米州サミットを開催する米州機構(OAS)は、これを意識したのだろうか。今回のテーマは「米州連携、繁栄へのパートナー」だ。オバマ大統領は、自身の選挙の年に、二度目の出席となる。色々言われるが、ラテンアメリカでの彼の評判は、決して悪くない。

今回のALBAサミットにはアルゼンチンのティママン外相が出席、フォークランドの旗を頂く商船の寄港を禁止するよう、要請した。最近英国政府がフォークランド戦勝30周年を記念して、最新鋭軍艦とヘリ操縦士としてのウィリアム王子の派遣を決定しているが、アルゼンチンは同諸島をマルビナスと呼び、自国の領土である、と180年間も言い続けて来た。ところが英国は、同諸島住民が英国民である、と主張していることを理由に、帰属問題には応じようとしない。寧ろ同諸島の商船の寄港を禁止するアルゼンチンを、植民地主義国呼ばわりする。ALBAサミットではティママン外相の要請を全面的に受諾、コレア・エクアドル大統領はさらに踏み込み、ALBA加盟国全てが対英制裁を、と呼び掛ける。チャベス大統領に至っては、仮に英国に攻撃されたとすれば、ベネズエラはアルゼンチンと共に戦う、とまで言う。

ところで、212日にはベネズエラで、「民主統一会議(MUD)」(野党連合。加入する政党で国民議会に議席を持つのは15党。伝統政党を含む。政治思想は右から左まで幅広い)による初めての大統領予備選が行われる。4人でMUD統一候補を争うが、米国の共和党の如きネガティヴ・キャンペーンは控えよう、という呼掛けもあった。一人除いて、皆チャベス氏より遥かに若い。候補が一本化されれば、まだ健康問題も付き纏うチャベス大統領に意外と手強い相手になりそうだ。本人が健康ぶりを見せても、噂が有権者に与えるインパクトは無視できない。今回サミットでは自らの活躍ぶりをテレビで示したようだ。癌の化学療法で禿頭となったチャベス大統領の頭は、大分黒くなっている。

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